管理人本ページは、管理人である私自身がEDと診断された際に、その症状の概要や特徴等について調べた内容をまとめた記録である。自分が罹患したEDという疾患の詳細を忘れない為に残す備忘録としての意味合いが大きいけれど、同じ症状を抱える方や、全く知識がないという方に対する情報共有の機会にもなれば幸いだ。管理人は医療従事者ではないので「このページを参考にしてくれ」とまでは言えないが、多くの方がEDについて関心を持ち、このページを訪れてくれると嬉しく思う。

EDとは?

ED(勃起不全)とはどんな症状なのか?

EDとは、男性の体に生じる性機能障害の一種である。「ED」という呼び方は短縮形で、正式には「Erectile Dysfunction」と表記するらしい。勃起障害や勃起不全と翻訳されるそうだ。

ED=全く勃起できない、と認識している人はとても多い。私もその1人だった。しかし、どうやらそれは少々語弊があるようで、厳密には「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されている(詳細は日本性機能学会日本泌尿器科学会のホームページを確認してほしい)。つまり、勃起できない状態ももちろん含まれるが、それに加えて硬度が足りず挿入できない、途中で中折れして最後まで高度を維持できない勃起するまで異様に時間がかかる、といった状態もEDに分類される可能性があるのだ。

たまたま1度失敗しただけならば問題はないが、同じ状態が2度、3度と続くようなら自分の体を疑ってみた方が良いかも知れない。ちなみに、オナニーならイケるのにセックスになると上手くいかない、という状態もEDに該当するとの事。思っていた以上に範囲が広くて驚いた。

メカニズム

軟らかい陰茎が硬く勃起するには、

  1. ①直接的(体に触られるなど)または間接的(映像や音など)な刺激を受ける
  2. ②脳が興奮を覚える
  3. ③神経を通じて脳から陰茎へ信号が伝達される
  4. ④陰茎内部で必要な物質が生成され、周辺の血管が拡張される
  5. ⑤陰茎へ血液が流れ込む

というプロセスが正常に行われる必要がある。この中のどれかが1つでも欠ければ、十分な勃起には至らない。つまりEDは、何らかの原因でこのプロセスのどれかが阻害されてしまっている状態という事だ。人間の心身は想像以上にデリケートなので、どこに原因が潜んでいてもおかしくはないのだろう。

EDの種類

EDは、発症原因によっていくつかの種類に分かれる

EDにはいくつかの種類がある。「勃起機能に不具合が生じる」という症状は変わらないが、「どうして発症してしまったのか」という原因の根本が異なるのだ。細かく分ければ他にもあるのだろうけれど、ここでは代表的なものを列挙していく。

器質性ED

血管あるいは神経に発生した異常が原因で勃起できなくなるケースを器質性EDと呼ぶ。男性器が勃起するのに必要な量の血液が流れなくなったり、興奮した際に脳から陰茎へ下される「勃起せよ」という命令が上手く伝達されなくなったりした事でEDに陥った状態である。

大きな怪我や外科手術の影響によって物理的な損傷が生じた場合、もしくは生活習慣の乱れや老化の影響によって動脈硬化が進んだ場合等に発症しやすい。特に後者は、健康診断でコレステロール、血圧、血糖値のいずれかが高いと指摘された経験のある人は要注意だ。

心因性ED

心に何らかの強い負荷が掛かった事が原因で勃起できなくなるケースを心因性EDと呼ぶ。男性ホルモンの分泌量が低下して機能不全になったり、気持ちが落ち着かずセックス自体に集中できなかったり、といった状況を引き起こす厄介なパターンである。

セックスに対する不安や緊張、生活する中で溜まったストレス、自分の心身に対するコンプレックスLGBTへの意識精神疾患過去のトラウマなどを抱えていると発症しやすいそうだ。自分1人では解決が難しい場合も多いので、怖がらずに身近な人や専門の医師へ相談してみてほしい。

薬剤性ED

薬が原因で勃起できなくなるケースを薬剤性EDと呼ぶ。処方箋や医師監修のホームページ内の医薬品紹介記事で、副作用の欄に「性機能低下」や「勃起障害」という文言が記載されているのを見た事はあるだろうか。頻繁なものではないけれど、あれは本当に起こり得る症状なのである。

中枢神経に作用する向精神薬抗うつ剤解熱剤消炎鎮痛剤、あるいは循環器系に作用する降圧剤利尿剤などが代表的な例だ。これらに該当する薬や、これら以外で同じような注意書きがある薬を利用している方は注意が必要な可能性がある。

混合性ED

器質性、心因性、薬剤性の要素が絡み合って発症したケースを混合性EDと呼ぶ。「器質性+薬剤性」や「器質性+心因性+薬剤性」など、組み合わせや重症度は人によって違う。また、薬が原因かと思っていたら実は元の怪我や病気が原因だった、といった事例も少なくない。

このケースに関しては、自覚、発見、原因の究明、治療の全てにおいて素人判断は危ない。複数の要素が混ざっているだけに、対処方法も細かく枝分かれしているからだ。自己判断で行った治療が実際の原因と合致せず、逆に悪化してしまう事も考えられる。焦る気持ちは痛いほど分かるが、まずは落ち着いて専門の医師へ相談しよう。

治療方法

EDの治療方法にもいくつかの種類がある

EDになってしまったとしても、それほど悲観する事はない。症状の具合にもよるけれど、多くの場合は治療による改善が見込める。現代医術の目まぐるしい進展に感謝しつつ、その治療方法を見ていこう。

血流改善

主に器質性EDに対して推奨される改善方法。1日3食・栄養バランスの整った食事を摂る、十分な睡眠時間を確保する、運動する習慣をつける、飲酒や喫煙を控える、といった生活習慣の見直しを図る事で血流を改善し、必要な時にスムーズな勃起ができる体作りをしていく。病院へ行かなくとも始められるし、生活習慣病の予防にもなるのでお勧めだ。

心理療法

主に心因性EDに対して有効とされる改善方法。医師の指導の下、カウンセリングや催眠療法、暗示療法、行動療法といった心理学的アプローチで心の奥に潜む発症原因を探っていく。軽度であればパートナーとの話し合いで解決できる場合もあるが、自分の力では太刀打ちできないような根深い問題が潜んでいる場合には、医師の協力を借りてじっくりと向き合う時間が必要になる。

治療薬

器質性EDや心因性ED、またはこれらが重なった混合性EDに対して有効とされる改善方法。一般的にED治療薬と呼ばれている薬の作用で勃起する為の力を増幅させる。先述した血流改善や心理療法などを実行しても満足な効果が得られなかった場合に推奨される方法だ。「勃起できた」という成功体験を体が覚える事で完全な克服に繋がるケースもある。

手術

主に器質性EDに対して適応される方法。注射によって勃起を助ける物質を注入するやり方や、血管または神経の不調を取り除く外科手術を行うやり方などがある。手間も費用もかかるけれど、その分効果は確かなようだ。不安があればその場で医師に相談できるなど、病院を利用するからこそのメリットもあるだろう。

まとめ

ED(勃起不全)についてのまとめ

以上が、現段階で私が理解したEDという疾患の情報である。まだまだ概要としか呼べない程度の情報量なので、折を見て随時更新していきたいと思う。調べれば調べるほど奥が深く、素人にとっては理解しきれない事も多い複雑な症状であると自覚できたのはとても有意義な経験だった。何も知らないままでは、突然襲い掛かってきた恐怖にただ怯える事しかできない。ゆっくりでもまずは敵を知り、己を知るところから始めてみるのが良いのだろう。